同窓鮫洲会 平成14年工場見学会に参加して

秋山貴裕(06401-N)、都大附工(昭和29年卒)

 9月7日、8日の「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所」の見学会では大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。炉体保護壁のヒビ割れ等で、マスコミを始めとして世間が騒いでいる話題の真っ只中の現場を見学させて頂くことが出来ましたこと感謝を致しております。運転中の最新設備で6号炉の炉体真上の部屋にまで行けたことは感無量の思いでした。塵一つ無い明るい色調の屋内は、火力発電所や水力発電所が全盛時代の私には、ただ驚くばかりでした。
 東京の消費電力を20%も供給する能力があるそうですが、空け広がった海岸の沖合いに、小さな巡視船が警備に一隻頼り無げに浮かんでいる景色には、本当にこれでいいのかと、一抹の不安が過ぎりました。
 世間は今、猫も杓子も違法行為けしからぬと、専門技術レベルの理解も無しに一陣の風に煽られるように、その恩恵を日常で受けたまま、担当現場に非難の火を浴びせています。

政治屋さんが「国民の理解を得るような・」と言いますが、私が鮫洲を卒業してから、つい先ごろまでは、専門的な知識が必要となる情報提供は、その専門的知識のレベルにある人達に止まっていました。そしてその段階で法律の整備や対応策が講じられていました。専門分野の進歩は著しく、いつの世でも法律は後追いをしている様相を呈しています。未整備の法律を錦の旗印として世の中に騒ぎを起こし、多くの犠牲者を血祭りにあげるような風潮の世の中に疑問を感じています。時代の変遷の中でこれも止む無しとすれば、専門技術職の人達は技術の成果と同時に内部の技術規定を、法律の補足条項にする努力をしていたら、今回の騒ぎはもっと建設的なものになっただろうと思っています。
 帰途のバスに揺られて飲んだ缶ビールで、中枢神経の制御機能が緩やかになった酔言の見学会感想のお粗末。(完)